一発逆転の結婚情報 東京

「課長は昨夜飲みすぎたかな」と、相手の側に立って考える余裕が生まれる。 話しかければ必ず好意的な反応が返ってくるものと期待するのは、相手への甘えなのである。
人それぞれで、抱える事情も、そのときの気分もさまざまである。 思い通りの反応が返ってこないからといって、驚くには当たらない。
まして、「自分は好意を持たれていない」などと思い込むのは、あまりに自分にこだわった見方である。 相手にだって事情がある。
その事情が知りたければ聞いてみればよい。 一回や二回でなく、何回も反応がなければ、気になるのは当然だから、質問してみることだ。
「このところ毎朝、あいさっしても課長に何も答えてもらえないので、実はちょっと気になっているんです」と正直に言うことだ。 「あ、そうかね。新聞を読んでいたものだから」「わたしはまた、何か悪いことでもやったかなと、気にしていました」「いや、それはすまなかった。
新聞に気をとられていただけだよ、きみ」課長も、気づかずにいる自分の言動が部下に余計な心配をさせることを知って、反省するだろう。 しかし、これくらいの発言でも、だれもが言えるとは限らない。

相手に振り回されない自分をつくる人とコミュニケートするためには、少しぐらいのことで動揺しない自分をつくっておかなければならない。 だれでも、他人の言動には影響されるものだ。
課長にしても、ブラッとやって来た常務が怖い顔をしていれば、何を言われるかと、内心ビクビクものかもしれない。 人に影響されてどれだけ自分が動揺するかは、その人の自己確立度による。
自分を受け入れることからすべてか攻台まる返事をしない子供に、「返事くらいしたらどうだ!」と怒鳴りつけてしまった父親がいる。 彼は、仕事上のミスを上司にとがめられ、イライラしているときに、呼んでも子供が返事をしなかったため、無性に腹が立ったのである。
心のバランスがとれていれば、子供が返事をしないくらいで動揺したりはしないだろう。 大人として、親として、「聞こえたかい?」もう一度、問い返す余裕が持てるはずだ。
相手に振り回されないためには、第一に、思い通りの反応が得られなくても「やっぱり自分は軽く見られているんだ」などと自分中心に考えずに、相手側の事情を考えてみること。 第二に、「嫌われたくない」「いやな思いをしたくない」との気持ちに負けないこと。
あなたにも経験があるかもしれないが、つい自分の気持ちの弱さに負けて、言うべきことも言わずにすませてしまう。 後悔しつつも、度重なると自分に自信が持てなくなり、自己嫌悪に陥る。

このタイプは、話す前から、「いやな顔をされる」「バカにされる」「恥をかく」といった思いが強いため、それに自分が負けてしまうのである。 話はしてみなければわからない。
マイナスばかりでなく、プラスもある。 プラスを期待する心理は、マイナスを恐れる心理にもつながる。
いずれも、相手の反応がちらついて、それらに振り回されることになる。 どちらかわからないのに、勝手に想像して一喜一憂するのである。
広く言えば、「恥をかきたくない」「良い評価を得たい」という表裏一体の心理があって、自己を確立するじゃまをしている。 恥ずかしさをのりこえるではどうしたらよいか。
ここでは、二十九歳の男性の体験談を紹介しよう。 話は一年前の新婚当時にさかのぼる。
新婚旅行はヨーロッパに行きました。 不安でした。
海外旅行の経験はありませんしね。 彼女は三回も行って慣れているので、みっともない真似をして恥をかきたくないという心配がある上、英語も片言しか喋れません。
もともと、わたしは話し下手で、緊張すると十のうち二つか三つくらいしか喋れないほうです。 そんなわけで、楽しいはずの新婚旅行なのに、とても気が重かったんです。
結婚する一週間ほど前だったと思います。 たまたま読んでいた本の中に、「恥の概念は日本人特有のもので、日本人はこれを持ちすぎる」という箇所があり、思わず目を止めました。

「そうだ、これだ!」わたしは、一瞬、雷に打たれたような衝撃を受けました。 まさに、これだ。
自分が遠慮して思ったことを言えないのは、マイナスを恐れ、気にするからだとわかったのです。 なぜマイナスを恐れるかと言えば、恥ずかしい、みっともないと思う気持ちが強いからです。
そのために自分がぐらついてしまうのです。 「この気持ちを捨てるんだ」わたしは、そう決心しました。
後は実行ですが、何か発言しようとすると、やはり気後れします。 その度に、「恥ずかしいという気持ちを捨てるんだ」と自分に言い聞かせるんですけど、最初はなかなかうまくいきません。
それでも、少しずつできるようになった頃、新婚旅行に出発しました。 妻は四度目の海外旅行ですから、落ち着いたものです。
わたしは、すべてが初めての経験で、不安と緊張の連続です。 内心では、驚いたことや、「すごい!」と感心したことがいっぱいあるのに、それを口に出そうとすると、「恥ずかしい、みっともない、止めておけ」と、心の中のブレーキがかかってしまいます。
何とかブレーキを外そうと思い切って自分の感じたことを話すと、妻は軽蔑するどころか、同感してくれました。 思ったことを率直に言ったほうが、気持ちが通じるんだなあと新しい発見をしました。
帰りは、フランスのドゴ1ル空港からフランクフルト経由で成田空港に到着するコ1スでした。 ふと見ると、わたしたちの荷物が、どうしたわけかフランクフルト止まりになっているのに気がつきました。
「大変!」彼女が叫びます。 以前のわたしでしたら、「どうしよう」ウロウロしたことと思います。

そのころは、わたしの頭にインプットされた「恥を捨てる」メッセージもすっかり定着したらしく、戸惑って、わたしはフランス人の係員のところに飛んでいきました。 自慢じゃありませんが、フランス語はまったくダメです。
「ザットバッグ、ナリ夕、ストレート、ストレート」係員をつかまえて、荷物を指さしながら叫びました。 なんと、これで通じたんですね。
驚きました。 妻のところに戻ると、彼女まで、「ヨカッタ、ヤッタ−!」と大喜びでした。
フランクフルトでもちょっとした行き違いがありましたが、ここでは身ぶり手ぶりの日本語でどうにか通じてしまいました。 成田に到着したときの妻の一言は、「あなたやるわね。ステキ!」のろけているわけではなく、この海外旅行の経験は大変勉強になりました。
他人の目ばかり気にして、自分を見失いがちだった以前の姿から、一歩前進できたんですからね。 明日が奥さんの誕生日だという彼は、明るく屈託がなく、以前の姿が信じられないくらいであった。
自分をしっかり持った人とコミュニケートするのは、手応えがあって楽しい。 思ったことを率直に言ってくれるからである。

マイナスを恐れる人とのコミュニケーションは表面的で深まらない。 自分の弱みをありのままに見せる他人には良いところを見せて、悪いところ、弱点は隠しておきたい。
だれもそう思うだろう。 その気持ちが高じると、気取ったり、格好をつけたりし始めて、だんだん自分ばかりか相手も窮屈にさせてしまう。
良いところだけ見せて相手とつき合っている人は、いつ弱点を知られるかと、内心落ち着かない。 そこへ相手から弱みをつかれたりすると、動揺して余裕を失う。

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